好決算が続いていることや、広瀬隆雄さん(じっちゃま)が紹介されていたことからZscaler(ZS:ゼットスケーラー)について興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。
ZSに投資しようかな〜
でも投資するからには、企業の事業内容・財務状況について理解したうえで投資したい…でも難しいし面倒!
そんな方に向けて、本記事では、クラウド型セキュリティソリューションを提供するZscaler(ZS:ゼットスケーラー)の会社概要、財務状況について解説します。
まとめ
はじめにまとめです。
・予想と結果:EPS○、売上高○、ガイダンス(EPS×、売上高○)
・2021/10期の売上高は$231M、営業利益率 -32%
・2021/10期の売上高成長率(前年同期比)は+61%と高い成長率を維持
・2021/10期の営業CFマージンは+40%
・2021/10期の自己資本比率は23.3%、流動比率は259%、固定比率は78%
・ZSはクラウド型のセキュリティソリューションを提供する企業
・ZSのクラウド型のセキュリティソリューション「Zscaler(ゼットスケーラー)」は、主に「Zscaler Internet Access(ZIA)」と「Zscaler Private Access(ZPA)」で構成される
・ZSはこの業界ではリーダーの位置づけ(Gartnerのポジショニングマップ参照)
・SAM(対象市場)の合計見積りが$72B(約7兆2,000億円)に対し、現状のZSの売上高は$673M(約670億円)で伸び代が大きい
・2021/07期の売上高は$673M、営業利益率 -31%
・2021/07期の売上高成長率(前年同期比)は+56%と高い成長率を維持
・2021/07期の営業CFマージンは+30%で、年々向上している
・2021/07期の自己資本比率は23.4%と低いが、流動比率は257%であり、短期的な安全性としては問題はなさそう
・ZSは好業績が続いており、新型コロナウィルス感染拡大前の2020年1月頃の株価 約60ドルから、現在の株価は約347ドルまで上昇。PSRは約71倍。11月30日発表の決算を受けて、プレで約370ドルまで上昇。
個人的には、ZSについては、広瀬隆雄さん(じっちゃま)が紹介されていた、「業績が良ければ買う・ホールド、悪ければ売る」というスタンスで投資を検討していきたいと思います。
(※投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します)
会社概要(ゼットスケーラーとは?)
Zscaler(ゼットスケーラー)は、2008年に設立された米国カリフォルニア州に拠点をおく、クラウド型のセキュリティソリューションを提供する企業です。
会社概要 | |
---|---|
本社所在地 | 米国カリフォルニア州サンノゼ |
設立 | 2008年 |
上場 | 2018年(Nasdaq:ZS) |
事業 | クラウド型セキュリティ |
従業員数 | 3,153人 |
売上高 | $ 673 百万ドル(2021年7月) |
企業HP | URL |
IR資料 | URL |
ZSのソリューションは、400以上の”Forbes Global 2000″の企業に採用されており、同社は全世界で150以上のデータセンターを保有しています。
例えば、Siemens(シーメンス)は、Zscalerを使用して180か国以上で35万人のユーザーのすべてのトラフィックを保護しています。
クラウド型のセキュリティソリューション「Zscaler」
ZSが提供するのが、クラウド型のセキュリティソリューション「Zscaler(ゼットスケーラー)」です。
「Zscaler」は、主な機能として「Zscaler Internet Access(ZIA)」と「Zscaler Private Access(ZPA)」の2つで構成されています。
Zscaler Internet Access(ZIA)
「Zscaler Internet Access(ZIA)」は、クラウド上でゲートウェイセキュリティを提供する機能です。
ゲートウェイとは「異なるネットワーク同士をつなぐもの」のことで、例えば社内ネットワークとインターネット間の接点となる中継機能をもつ機器のことを指します。
クラウドでゲートウェイセキュリティを提供するZIAでは、インターネットにアクセスできれば、PCやデバイスがどこにあってもゲートウェイセキュリティが有効になります。
詳細はこちらの動画をご覧ください。
Zscaler Private Access(ZPA)
「Zscaler Private Access(ZPA)」は、クラウド型のリモートアクセス機能で、VPNの代替になります。ZPAは、「Zscaler」クラウドを経由してユーザとアプリケーションサーバを安全に接続します。
詳細はこちらの動画をご覧ください。
Zscalerの優位性
Zscalerのプレゼンテーション資料に、Gartnerのポジショニングマップが載っています。
このGartnerのマッピングでは、Zscalerがこの業界でリーダーの位置づけとされています。
市場規模
ゼットスケーラーが対象とする市場規模は、同社のプレゼンテーション資料によると、数量ベースでUsersが335M、Workloads& IoT Devicesが150Mとなっています。
また、金額ベースでは、Uses が$49B(5兆円)、Workloadが$23B(2兆3,000億円)とされています。
SAM(対象市場)の合計の見積もりが$72B(約7兆2,000億円)であり、現状のZSの売上高は$673M(約670億円)なので、まだまだ伸び代がありそうです。
業績・財務状況
続いて、ZSの業績と財務状況について解説します(財務データの参照元は以下のとおりです)。
直近の決算(2021/10期)
初めに直近の決算の結果が、予想以上(○Beat)か、予想以下(×Miss)を表にまとめました。
2022Q1(2021/10期)はEPS, 売上高は予想を上回り、ガイダンスの売上高は予想を上回ったものの、ガイダンスのEPSが予想を下回りました。詳細は出所のSeeking Alphaをご覧ください。
判定 | |
EPS | ○(Baet) |
売上高 | ○(Baet) |
ガイダンス(EPS) | ×(Miss) |
ガイダンス(売上高) | ○(Baet) |
売上・営業利益(年次)
年次の売上・営業利益は以下の通りです。
2021/07期の売上高は$673M、営業利益率 -31%となっており、売上が急成長していますが、営業利益率のマイナスで推移しています。
売上・営業利益(四半期)
四半期の売上・営業利益は以下の通りで、2021/10期の売上高は$231 M、営業利益は-32%となっています。
売上は堅調に成長していますが、営業利益はマイナスで推移しています。
売上高 成長率(年次)
年次の売上高成長率(前年同期比)は以下の通りです。2021/07期の売上高成長率(前年同期比)は+56%となっており、高い成長率を継続していることがわかります。
売上高 成長率(四半期)
四半期の売上高成長率(前年同期比)は以下の通りです。2021/10期の売上高成長率(前年同期比)は61%となっています。直近の一年の、売上高成長率(前年同期比)は52-61%と非常に高い成長率で推移している事がわかります。
EPS (年次)
年次のEPS推移は以下の通りで、2021/01期のEPSは-1.93 USDとなっています。
EPS (四半期)
四半期のEPSの推移は以下の通りです。
キャッシュフロー(年次)
年次のキャッシュフローは以下の通りです。営業CFが拡大しており、2021/07期はフリーCFがプラスに転換しているます。
営業CFマージン(年次)
年次の営業CFマージンは以下の通りです。2021/07期の営業CFマージンは+30%となっており、営業CFマージンが年々高まってきていることが分かります。
キャッシュフロー(四半期)
四半期のキャッシュフローは以下の通りです。営業CFが拡大しており、2021/10期は3四半期連続でフリーCFがプラスとなっています。
営業CFマージン(四半期)
四半期の営業CFマージンは以下の通りです。2021/10期の営業CFマージンは+40%となっており、営業CFマージンは高水準で推移しています。
バランスシート(安全性)
続いて財務的な安全性を見ていきます。
2021/10期の自己資本比率は23.3%と低いものの、流動比率は259%であり、短期的な安全性としては問題はなさそうです。
自己資本比率 | 23.3.% |
流動比率 | 259% |
固定比率 | 78% |
固定長期適合比率 | 27% |
株価
最後に株価を確認していきます。下にはリアルタイムチャートを掲載しますが、2021年12月01日現在の株価について見ていきます。(※初稿は2021/10/1で、12/01に追記修正。)
ZS の株価は、新型コロナウィルス感染拡大前の2020年はじめ頃に約60ドル付近でしたが、新型コロナウィルス感染拡大後は、好業績が続いており、2021年11月30日時点では約347ドルとなっています。また、11月30日発表の決算を受けて、プレで約370ドルまで上昇しています。
PSRは、2021年11月22日時点で約71倍となっています。
ZSは好業績が続いており、2021/11/30発表の決算も良好だったことから株価上昇が期待できそうですが、新型コロナウィルスの変異種(オミクロン株)の感染拡大懸念もあるため、状況を注視しながら投資判断をしていけたらと思います。
まとめ
最後にまとめです。
・予想と結果:EPS○、売上高○、ガイダンス(EPS×、売上高○) (○:予想以上、×:予想以下)
・2021/10期の売上高は$231M、営業利益率 -32%
・2021/10期の売上高成長率(前年同期比)は+61%と高い成長率を維持
・2021/10期の営業CFマージンは+40%
・2021/10期の自己資本比率は23.3%、流動比率は259%、固定比率は78%
・ZSはクラウド型のセキュリティソリューションを提供する企業
・ZSのクラウド型のセキュリティソリューション「Zscaler(ゼットスケーラー)」は、主に「Zscaler Internet Access(ZIA)」と「Zscaler Private Access(ZPA)」で構成される
・ZSはこの業界ではリーダーの位置づけ(Gartnerのポジショニングマップ参照)
・SAM(対象市場)の合計見積りが$72B(約7兆2,000億円)に対し、現状のZSの売上高は$673M(約670億円)で伸び代が大きい
・2021/07期の売上高は$673M、営業利益率 -31%
・2021/07期の売上高成長率(前年同期比)は+56%と高い成長率を維持
・2021/07期の営業CFマージンは+30%で、年々向上している
・2021/07期の自己資本比率は23.4%と低いが、流動比率は257%であり、短期的な安全性としては問題はなさそう
・ZSは好業績が続いており、新型コロナウィルス感染拡大前の2020年1月頃の株価 約60ドルから、現在の株価は約347ドルまで上昇。PSRは約71倍。11月30日発表の決算を受けて、プレで約370ドルまで上昇。
個人的には、ZSについては、広瀬隆雄さん(じっちゃま)が紹介されていた、「業績が良ければ買う・ホールド、悪ければ売る」というスタンスで投資を検討していきたいと思います。
(※投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します)
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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