フロンティアマーケットETF(FM)に投資したいけど、リスクが大きそうだし不安。
構成銘柄にどんな企業が含まれるか知りたいけど、自分で調べるのは難しいし時間もない。
そんな方に向けて書きました。
本記事では、フロンティアマーケットETF(FM)の構成銘柄TOP1〜5の企業について紹介します。
- なぜいまフロンティアマーケットETFが注目されているのか?
- フロンティアマーケットETF(FM)の構成銘柄①(〜TOP5)
構成銘柄TOP10まで紹介する予定ですが、
本記事では構成銘柄の上位1-5位までを紹介し、6位以降は別の記事で紹介します。
(投資は自己責任です。ご自身の判断と責任でお願いします。)
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新興国・フロンティアマーケット銘柄とは?
まずはじめに「新興国」「フロンティアマーケット」銘柄について説明します。
新興国銘柄とは、中国、台湾、インド、韓国、ブラジル、メキシコなどの新興国の株式を指します。
フロンティア・マーケット銘柄は、新興国よりも更に小さい市場の銘柄で、
ベトナム、ナイジェリア、ペルー、カザフスタン、ルーマニア、エジプト、バングラデシュなどの国の株式を指します。
中国、台湾、インド、韓国、ブラジル、メキシコなど
ベトナム、ナイジェリア、ペルー、カザフスタン、ルーマニア、エジプト、バングラデシュなど
新興国より小さい市場は「フロンティアマーケット」という分類があるんですね
なぜいま新興国・フロンティアマーケットが注目されているのか?
なぜいま新興国・フロンティアマーケット銘柄に注目するのでしょうか?
米国の利上げペース鈍化、新興国へマネーがシフト
2022年は米国で急速な利上げが行われきました。
米国での利上げ予想は下の後藤さん(@goto_finance)のグラフが分かりやすいので以下ツイートを参照ください。
しかし、CPIの数値も落ち着いてきたことから、今後は利上げペースが鈍化すると見られています。
(参照:利上げペース鈍化「間もなく適切」=FOMC議事要旨)
これまでは米国での急速な利上げによって、世界の資金が金利の高い米国へ流入していました。
これが米国での利上げペースが鈍化、来年には利下げに転換すると、逆にドルが下落し、資金が米国から新興国へ流出することが予想されます。
この傾向は過去のドル指数、新興国株の関係からも見てとれます。
以下はドル指数と新興国株ETF(EEM)のチャートですが、ドル指数と新興国株は逆相関の関係にあることが分かります。
成長余地のある国へ資金がシフトする
米国から流出する資金は、成長余地の大きな新興国にシフトすると考えられます。
ちなみに、中国については中国政府が投資家から敬遠される政策を取り始めており買われにくい状況です。
どの新興国が魅力的かを考える材料として各国のGDP成長率、人口動態の予想を確認しましょう。
各国のGDP成長率
各国の2022年、2024年のGDP成長率を下表に整理しました(参照:IMF)。
インドやベトナム、フィリピン、インドネシアなどはGDP成長率5%以上と高い成長が予想されています。
特にナイジェリアは、人口が大きく増加する予想で、2024年のGDP成長は12.5%と予想されています。
各国のGDP成長率予想
国 | 2022年 | 2024年 | 関連ETF |
---|---|---|---|
ベトナム | 7.0% | 6.6% | VNM, FM |
バングラデシュ | 7.2% | 6.5% | FM |
インド | 6.8% | 6.8% | EPI |
エジプト | 6.6% | 5.2% | FM |
フィリピン | 6.5% | 6.0% | EPHE |
インドネシア | 5.3% | 5.4% | EIDO |
マレーシア | 5.4% | 4.9% | EWM |
トルコ | 5.0% | 3.0% | TUR |
ルーマニア | 4.8% | 3.8% | FM |
ポーランド | 3.8% | 3.1% | EPOL |
ナイジェリア | 3.2% | 12.5% | FM |
ブラジル | 2.8% | 1.9% | EWZ |
ペルー | 2.7% | 3.2% | FM |
カザフスタン | 2.5% | 4.5% | FM |
メキシコ | 2.1% | 1.8% | EWW |
日本 | 1.7% | 1.3% | – |
アメリカ | 1.6% | 1.2% | VTI |
各国の人口動態
人口が多い国ほどGDPは高くなるので、各国の人口動態の予想も確認しておきます。
グラフを見やすくするために、2種類のグラフを掲載します。
インドは中国を抜き世界1位の人口になると予想されています。
また、ナイジェリアとインドネシア、バングラデシュなどは、特に人口が伸びることが分かります
(参照: Our World in Data)
①人口予測(〜2049年・インド,中国を含む)
②人口予測(〜2059年・インド,中国を除く)
新興国への投資のデメリット
新興国への投資にはデメリットもあります。
新興国への投資は大きなリターンを産む可能性もありますが、以下のようなリスクがあります。
- カントリーリスク(政情不安やテロなどの地政学リスク)
- 流動性リスク(市場規模が小さいため売りたい時に売れないリスク)
- 為替リスク(市場規模が小さいく通貨の変動が激しい)
- 多くの国がコモディティ価格の変動の影響を受けやすい
- 個別銘柄は不正会計などで株価が暴落することがある…etc.
新興国への投資はリスクもあるので、リスク許容度の範囲内で投資をすることをおすすめします。
特に個別株はリスクが大きいので、私はETFでの分散投資を選好しています。
フロンティアマーケットETF(FM)の構成
続いて本題のフロンティアマーケットETF(FM)の構成について紹介します。
資産構成(地域別)
フロンティマーケットETF(FM)の地域別の資産構成は以下の通りです。
トップはベトナムで約3割を占めており、次いでルーマニア、カザフスタン、フィリピンと続いています。
資産構成(業種別)
以下が業種別の投資割合です。
(出典は下記ファクトシートであり現時点の構成と差異がある点は留意ください)
1位は金融(38.76%)、2位は不動産(10.55%)、3位は素材(9.93%)となっています。
フロンティアマーケットETF(FM)構成銘柄TOP10
構成銘柄TOP10は以下の通りです。
1位は現金USD(4.54%)で、2位以降は下表の通りです。
本記事では、構成銘柄1〜5位(1位は現金なので実質2〜5位)について紹介します。
記事が長くなるため、6〜10位については別の記事で紹介したいと思います。
JSC KASPI KZ GLOBAL SPONSORED REG(KSPI)
企業概要
設立 | 1995年 |
所在地 | カザフスタン |
上場 | 2020年 |
事業 | カザフスタン最大のペイメント、マーケットプレイス、フィンテックエコシステムを運営 |
損益
年次の売上高・営業利益
2021年12月の売上高 884,822 百万KZT(前年比+47%)、営業利益528,802百万KZT(前年比+66%)、営業利益率60%で増収・増益となっています。
売上・利益ともに2桁成長しており、収益性も非常に高いことがわかります。
四半期の売上高・営業利益
2022Q3(9月期)の四半期の売上高は 337,529 百万KZT(前年比+40%)、営業利益201,557百万KZT(前年比+25%)、営業利益率は60%で増収・増益となっています。
バランスシート
2021年12月期の自己資本比率14%、流動比率122%、固定比率29%となっています。
自己資本比率は14%と低水準ですが、流動比率は120%以上、固定費比率も30%程度と、財務的な安全性に大きな問題はなさそうです。
自己資本比率 | 14% |
流動比率 | 122% |
固定比率 | 29% |
安全性の指標の見方が分からない方はこちらの書籍がおすすめ!
COMMERCIAL INTERNATIONAL BANK(COMI)
企業概要
設立 | 1975年 |
所在地 | エジプト カイロ |
上場 | 1995年 |
事業 | ・エジプトを代表する民間銀行 ・200以上の支店を持つ |
損益
年次の売上高・営業利益
2021年12月の収益 24,966 百万EGP(前年比-1%)、税引前利益 18,833百万EGP(前年比+24%)、税引前利益/収益:75%となっています。
過去5年で見ると収益も大きく成長しており、利益率も非常に高いことがわかります。
四半期の売上高・営業利益
2022Q3(9月期)の四半期の収益 8,089百万EGP(前年比+15%)、税引前利益 6,357百万EGP(前年比+23%)、税引前利益/収益:79%となっています。
バランスシート
2021年12月期の自己資本比率14%となっています。
バランスシートの項目を見る限り、財務的に大きな問題は無いように見えますが、もし気になる方は下記リンクからCOMIの財務諸表の詳細をご確認ください。
自己資本比率 | 14% |
流動比率 | – % |
固定比率 | – % |
BANCA TRANSILVAN SA(TLV)
企業概要
設立 | 1993年 |
所在地 | ルーマニア |
上場 | 1997年 ? ※ |
事業 | ・ルーマニアに本社を置く銀行 ・ルーマニア, イタリアに440以上の支店をもつ |
※上場時期は情報が見つからず、BVB(ブカレスト取引所)のStart Trading dateを参照して1997年としています
損益
年次の売上高・営業利益
2021年12月の収益 3,142百万RON(前年比+6%)、税引前利益 2,303百万RON(前年比+42%)、税引前利益/収益: 73%となっています。
過去5年で収益も増加しており、利益は2桁成長で、収益性も非常に高いことがわかります。
四半期の売上高・営業利益
2022Q3(9月期)の四半期の収益 1,115 百万RON(前年比+5%)、税引前利益 738百万RON(前年比+1%)、税引前利益/収益:66%となっています。
バランスシート
2021年12月期の自己資本比率8%となっています。
バランスシートの項目を見る限り、財務的に大きな問題は無いように見えますが、もし気になる方は下記リンクからTLVの財務諸表の詳細をご確認ください。
自己資本比率 | 8 % |
流動比率 | – % |
固定比率 | – % |
CREDICORP LTD(BAP)
企業概要
設立 | 1995年 |
所在地 | ペルー |
上場 | 1995年 |
事業 | ・ペルーに本社を置く金融サービス企業 ・ペルー最大の金融持株会社 ✔︎ ユニバーサル銀行 ✔︎ 保険・年金 ✔︎ マイクロファイナンス(南米で有力) ✔︎ 投資銀行・資産管理 |
損益
年次の売上高・営業利益
2021年12月の収益 8,150 百万PEN(前年比+207%)、税引前利益 5,333百万PEN(前年比+2281%)、税引前利益/収益:65%となっています。
2021年は前年の大幅な減収・減益から急回復して、過去5年で収益は成長しており、収益性も高い水準で維持されています。
四半期の売上高・営業利益
2022Q3(9月期)の四半期の収益 2,541百万PEN(前年比+7%)、税引前利益 1,909百万PEN(前年比+15 %)、税引前利益/収益:75 %となっています。
バランスシート
2021年12月期の自己資本比率11%となっています。
バランスシートの項目を見る限り、財務的に大きな問題は無いように見えますが、もし気になる方は下記リンクからBAPの財務諸表の詳細をご確認ください。
自己資本比率 | 11 % |
流動比率 | – % |
固定比率 | – % |
まとめ
本記事では、フロンティアマーケットETFが注目される理由と、構成銘柄上位の企業について紹介しました。
- なぜいまフロンティアマーケットETFが注目されているのか?
- フロンティアマーケットETF(FM)の構成銘柄①(〜TOP5)
1-5位の構成銘柄を見る限り、個人的には非常に優良な企業で構成されている印象を持ちました。
上位6位以降は別の記事で紹介する予定です。
投資インフルエンサーやYoutuberをきっかけにフロンティアマーケットETF(FM)に興味を持った方も多いと思いますが、投資は自己責任ですので、構成銘柄についても理解した上で投資をすることをおすすめします。
本記事が、読者の方々の考えるための材料としてお役に立てていれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました