ベトナム株への投資はこれから魅力的なの?
どんな銘柄があるの?
そんな方に向けて書きました。
この記事を読むメリットは以下の通りです。
- ベトナム株が注目される理由が分かる
- ベトナム関連ETFの具体的な銘柄が分かる
- 自分で投資を考えるための材料が得られる
本記事の中では、以下の内容を紹介します。
- 新興国・フロンティアマーケットとは
- 新興国に資金がシフトする理由
- ベトナムのGDP成長率、人口動態の予想
- ベトナムETFの構成銘柄・PER・チャート
- ベトナム関連ETFを取り扱う日本の証券会社
- 私自身が投資するか(参考)
本記事は、私自身がベトナム関連ETFへの投資を考えるために整理した情報です。
新興国ETFへの投資を考える際の一助になると思うのでぜひ最後までご覧ください。
(※投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します)
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新興国・フロンティアマーケットETF全般については
こちらの記事で紹介しています
新興国・フロンティアマーケット銘柄とは?
まずはじめに「新興国」「フロンティアマーケット」銘柄について説明します。
新興国銘柄とは、中国、台湾、インド、韓国、ブラジル、メキシコなどの新興国の株式を指します。
フロンティア・マーケット銘柄は、新興国よりも更に小さい市場の銘柄で、
ベトナム、ナイジェリア、ペルー、カザフスタン、ルーマニア、エジプト、バングラデシュなどの国の株式を指します。
中国、台湾、インド、韓国、ブラジル、メキシコなど
ベトナム、ナイジェリア、ペルー、カザフスタン、ルーマニア、エジプト、バングラデシュなど
新興国より小さい市場は「フロンティアマーケット」という分類があるんですね
なぜいま新興国ETFが注目されているのか?
なぜいま新興国・フロンティアマーケット銘柄に注目するのでしょうか?
米国の利上げペース鈍化、新興国へマネーがシフト
今年に入り米国では急速な利上げが行われてきました。
米国での利上げ予想は下の後藤さん(@goto_finance)のグラフが分かりやすいので以下ツイートを参照ください。
しかし、CPIの数値も落ち着いてきたことから、今後は利上げペースが鈍化すると見られています。
(参照:利上げペース鈍化「間もなく適切」=FOMC議事要旨)
これまでは米国での急速な利上げによって、世界の資金が金利の高い米国へ流入していました。
これが米国での利上げペースが鈍化、来年には利下げに転換すると、逆にドルが下落し、資金が米国から新興国へ流出することが予想されます。
この傾向は過去のドル指数、新興国株の関係からも見てとれます。
以下はドル指数と新興国株ETF(EEM)のチャートですが、ドル指数と新興国株は逆相関の関係にあることが分かります。
成長余地のある国へ資金がシフトする
米国から流出する資金は、成長余地の大きな新興国にシフトすると考えられます。
ちなみに、中国については中国政府が投資家から敬遠される政策を取り始めており買われにくい状況です。
どの新興国が魅力的かを考える材料として各国のGDP成長率、人口動態の予想を確認しましょう。
各国のGDP成長率
各国の2022年、2024年のGDP成長率を下表に整理しました(参照:IMF)。
インドやベトナム、フィリピン、インドネシアなどはGDP成長率5%以上と高い成長が予想されています。
特にナイジェリアは、人口が大きく増加する予想で、2024年のGDP成長は12.5%と予想されています。
各国のGDP成長率予想
国 | 2022年 | 2024年 | 関連ETF |
---|---|---|---|
ベトナム | 7.0% | 6.6% | VNM, FM |
バングラデシュ | 7.2% | 6.5% | FM |
インド | 6.8% | 6.8% | EPI |
エジプト | 6.6% | 5.2% | FM |
フィリピン | 6.5% | 6.0% | EPHE |
インドネシア | 5.3% | 5.4% | EIDO |
マレーシア | 5.4% | 4.9% | EWM |
トルコ | 5.0% | 3.0% | TUR |
ルーマニア | 4.8% | 3.8% | FM |
ポーランド | 3.8% | 3.1% | EPOL |
ナイジェリア | 3.2% | 12.5% | FM |
ブラジル | 2.8% | 1.9% | EWZ |
ペルー | 2.7% | 3.2% | FM |
カザフスタン | 2.5% | 4.5% | FM |
メキシコ | 2.1% | 1.8% | EWW |
日本 | 1.7% | 1.3% | – |
アメリカ | 1.6% | 1.2% | VTI |
各国の人口動態
人口が多い国ほどGDPは高くなるので、各国の人口動態の予想も確認しておきます。
グラフを見やすくするために、2種類のグラフを掲載します。
インドは中国を抜き世界1位の人口になると予想されています。
また、ナイジェリアとインドネシア、バングラデシュなどは、特に人口が伸びることが分かります
(参照: Our World in Data)
①人口予測(〜2100年・インド,中国を含む)
②人口予測(〜2059年・インド,中国を除く)
ベトナムは特に注目の国
新興国の中でも注目な国の1つがベトナムです。
ベトナムの基本情報、GDP成長率・人口の予想を確認します。
ベトナムの基本情報
ベトナムの基本情報を下表にまとめました。
基本情報 | |
---|---|
国名 | ベトナム社会主義共和国 |
面積 | 32.9万km2 |
首都 | ハノイ |
人口 | 約9,851万人(2021年) |
産業 | ・農林水産業(GDPに占める割合14.85%) ・鉱工業・建築業(同33.72%) ・サービス業(同41.63%) |
公用語 | ベトナム語 |
宗教 | 仏教(約80%)、カトリック、カオダイ教など |
政体 | 社会主義共和国 |
GDP | 約3,626 億米ドル(2021年) |
通貨 | ドン(Dong) |
ベトナムのGDP成長率予想 2022〜2027年
2022年〜2027年のベトナムのGDP成長率予想を下表に整理しました。
今後5年間でGDP成長率は毎年6%以上となる見込みになっています。
年 | GDP成長率予想 |
---|---|
2022 | 7.0 % |
2023 | 6.2 % |
2024 | 6.6 % |
2025 | 6.7 % |
2026 | 6.7 % |
2027 | 6.8 % |
ベトナムの人口予想 〜2059年
ベトナムの人口は2030年頃には1億人を突破し、
2040年台には人口減少が著しい日本を上回ると予想されています。
ベトナムの消費者物価指数(CPI)
続いて消費者物価指数(CPI)を確認します。
CPIが高止まりしていれば、政府は政策金利を引き上げて物価を抑えようとします。
金利上昇は株価には逆風になるため、CPIを把握しておくことは重要です。
2022年10月時点でCPIは4.30と高い水準にあることが分かります。
但しエネルギー価格も下落して、各国でインフレが収まってきた兆候が見え始めているため
ベトナムでも近いうちにCPIの数値の下落があるかもしれません。
ベトナムの政策金利
次にベトナムの政策金利を確認します。
2022年8月から大幅な利上げが行われていることが分かります。
後ほど触れますが、この利上げも一因となってベトナム株価指数は下落しています。
為替(USD/ベトナムドン)
続いて為替を確認します。以下はUSドル/ベトナムドンのチャートです。
2022年に入り急激にドル高、ドン安が進行しています。
米国では利上げペース鈍化が見込まれており、これまで一方的にドル高へシフトしているので、
今後USドル/ベトナムドンの為替が逆方向に動く可能性も含めて注目です。
リアルタイムチャート
ベトナムの不動産・金融セクターと株価下落
2022年9月以降、ベトナム株式市場は急速に下落しています。
背景は以下の3つが挙げられます。
- 米国の金融引き締め観測
- ベトナム中銀の大幅利上げ
- 不動産・金融セクターの大幅下落
①は外部要因であり、②は記述の通りです。
その他の要因として、ベトナム国内の③不動産・金融セクターの大幅下落があります。
不動産・金融セクターの下落
不動産・金融はベトナム指数の50%以上を占めるセクターであるため、
不動産・金融セクターの下落はベトナム株価指数全体へ大きく影響します。
不動産・金融セクターが大きく下落した理由は、
違法な社債発行・取引でベトナムの大手不動産企業の経営者が相次いで逮捕されたことで市場心理が悪化したためです。
- FLCグループ
- タンホアンミン・グループ
- VTPグループ
さらにVTPグループと関係が深いと見られるサイゴン商業銀行で取り付け騒ぎが発生し、金融株まで大きく売られました。
規制強化から緩和へ
ベトナム政府は債権市場の監視を強化し、サイゴン銀行を特別管理下に入れるなどの措置をとりました。
規制強化の効果は早期に表れているようで、事態は沈静化に向かいつつあります。
最悪期は脱したとの見方から、政府は規制強化から素早く規制緩和へと方針転換しました
11月に規制緩和へ転換したと見られるとベトナム株式市場に急速に資金が流入しています(下図)。
ベトナム株価指数のPER
ベトナム株価指数の予想PERは以下の通りで、過去5年間で最も割安な水準まで下落しています(下図)。
新興国への投資のデメリット
ここまで読んでベトナムや新興国株への投資に興味を持たれた方もいるかと思いますが、
新興国への投資にはデメリットもあります。
ベトナム関連ETFの紹介の前に、新興国への投資のリスクについても触れておきます。
新興国への投資は大きなリターンを生む可能性がる一方で、以下のようなリスクがあります。
- カントリーリスク(政情不安やテロなどの地政学リスク)
- 流動性リスク(市場規模が小さいため売りたい時に売れないリスク)
- 為替リスク(市場規模が小さいく通貨の変動が激しい)
- 多くの国がコモディティ価格の変動の影響を受けやすい
- 個別銘柄は不正会計などで株価が暴落することがある…etc.
新興国銘柄への投資はリスク許容度の範囲内で投資をすることをおすすめします。
特に個別株はリスクが大きいので、私はETFでの投資が良いと考えています。
ベトナム関連ETF
ベトナムの株式に投資できるETFを2つ紹介します。
ヴァンエック・ベトナムETF(VNM)
一つ目は、ヴァンエック・ベトナムETF(VNM)です。
銘柄やセクターの構成は下図(FactSheet)をご覧ください。
ベトナム市場に分散投資できる点はメリットですが、日本の証券会社で取扱いがない会社もあるのがデメリットです。
VNMの構成銘柄TOP10のうち5銘柄が、フロンティアマーケットETF(FM)の構成銘柄と重なっています。
この5銘柄については下記ブログ記事・Youtube動画で紹介してますので、ご興味ある方はご覧ください。
VNM チャート
フロンティアマーケットETF(FM)
2つ目は、iシェアーズ MSCI フロンティア & セレクトEM ETF(FM)です。
構成比率はベトナムが21%、その他にナイジェリア、バングラデシュ、エジプトなど
GDP成長率の高い国も含んでいるため、フロンティアマーケットに分散投資したい方には向いていると言えます。
11月25日時点のPERは7.8倍、構成銘柄・地域は以下の通りです。
FM
日本の証券会社での取扱い銘柄
新興国ETFは日本の証券会社からも購入可能です。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券での取り扱いを下表に整理しました。
No | ティッカー | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
---|---|---|---|---|
1 | EPI | ○ | ○ | ○ |
2 | VNM | × | △(新規停止) | ○ |
3 | EWM | ○ | ○ | ○ |
4 | EPHE | ○ | ○ | ○ |
5 | EIDO | ○ | ○ | ○ |
6 | EPOL | ○ | ○ | ○ |
7 | TUR | ○ | ○ | ○ |
8 | EWW | ○ | ○ | ○ |
9 | EWZ | ○ | ○ | ○ |
10 | FM | ○ | ○ | ○ |
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私自身がベトナム関連ETFを買うか?(参考)
ここまでの情報を整理してみて、私はベトナム関連ETFの割合を増やそうと考えています。
・米国で利上げペース鈍化予想
・ベトナムでもインフレが沈静化すれば利上げ鈍化の可能性
・ベトナムの高いGDP成長率、人口増加の予想
・株価下落、PERが割安水準
・海外資金の流入
VNMを買うのも選択肢ですが、FMの方が買いやすく分散もきくのでFMの割合を増やそうと考えています。
ちなみに、2022年10月時点での私の保有銘柄は下の記事の通り、新興国株ETFが全体の5%程度でした。
ベトナム以外にも投資妙味を感じるので、その他の新興国ETFについても投資を考えたいと思っています。
上記はあくまで個人の考えです。想定が外れて逆に株価が下がるリスクもあります。
投資は全て自己責任ですのでご自身の判断と責任でお願いします。
まとめ
ベトナムとベトナム関連ETFについて紹介しました。
- 新興国・フロンティアマーケットとは
- 新興国に資金がシフトする理由
- ベトナムのGDP成長率、人口動態の予想
- ベトナムETFの構成銘柄・PER・チャート
- ベトナム関連ETFを取り扱う日本の証券会社
- 私自身が投資するか(参考)
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本記事がお役に立っていれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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