こんにちは!やん(@yan_blog3)です。
石油サービス企業のシュルンベルジェについて知りたい
そんな方に向けて書きました。
本記事では、世界最大級の石油サービス企業のシュルンベルジェ(SLB)と、石油・天然ガス市場の動向について解説します。ご興味ある方はぜひ記事をご覧ください。
まとめ
はじめにまとめです。
・シュルンベルジェ(SLB)は世界最大級の石油サービス企業。
・2021/12期の売上高は 22,929百万ドル(YoY-3%)、営業利益率+12%、当期純利益率 +8%。
▶︎2021/12期(Q4)の売上高は 6,225百万ドル(YoY+13%)、営業利益率+13%、当期純利益率+10%
・2021/12期のROEは+14 %
・2021/12期の営業CFマージンは+20%
・2021/12期の自己資本比率は 37%、流動比率 122%、固定比率 189%、固定長期適合比率 93%
・配当利回り(予想)は 1.3%
・現在の株価は40.62ドル、実績PER 29.7倍
ロシアによるウクライナ侵攻の懸念など、原油・天然ガス高騰の要因が複数ある中で、石油の探鉱・開発活動が活発化すれば、石油サービスの業界最大手のSLBも恩恵に預かる可能性があり、面白い銘柄と思いました。ロシアによるウクライナへの侵攻は予断を許さない状況ですが、ウクライナ情勢を注視しながら投資検討をしたいと思います。
(※投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します)
原油・天然ガスの市場動向
会社概要・財務状況を見る前に、まずは原油・天然ガスの市場動向を確認していきます。
原油価格の高騰
まずは原油価格から確認していきます。原油価格の指標のWTIの推移は下記の通りで、7年ぶりの高値を付けるほど急上昇しています。
天然ガス価格の高騰
続いて天然ガス価格を確認します。天然ガス価格は昨年の夏頃から急上昇しています。
価格高騰の背景:需要増加予想と供給懸念
原油・天然ガス価格高騰の背景には、コロナで低迷した経済が再開する中での原油需要の増加が予想されること、また原油・天然ガスの供給懸念の拡大があります。以下に原油・天然ガス価格高騰の要因を5つ挙げます。
① 経済活動再開により原油需要が増加すると予想されている
② 先進国では脱炭素社会に向けて原油生産を制限(原油生産量を増やすことができない)
③ OPEC(石油輸出機構)は増産による原油安を懸念して増産に慎重な姿勢
④イラク・トルコの主要パイプライン爆発による供給懸念(復旧済み)
⑤ロシアがウクライナに侵攻すれば、ロシア-ドイツの天然ガスの海底パイプライン「ノードストリーム2」が停止される可能性があり、欧州全体のエネルギー供給懸念が拡大している
全部紹介すると長くなるので、いま特に注目を集めている⑤ロシアのウクライナへの侵攻について説明します。
ウクライナは欧州連合(EU)とロシアの両方と国境を接しており、旧ソビエトだったことからロシアと繋がりの深い国です。
現在、ウクライナとロシアの国境付近に数万人規模のロシア軍が集結しており、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が懸念されています。
これに対して、ドイツのショルツ首相は、ロシアがウクライナに侵攻すれば、ロシアの天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノードストリーム2」の停止を検討するとコメントしています。
もしロシアがウクライナに侵攻することがあれば、ロシアからの天然ガス供給が減少し、これは天然ガス価格の急騰を招く恐れがあります。この問題は現在進行中で、どう転ぶか分からない状況ですが、こういった地政学リスクもエネルギー資源の高騰の一つの要因となっています。
ロシアとの対立が欧州全体に与える影響については以下の記事を参照ください。
会社概要
シュルンベルジュ(SLB)は世界最大級の石油サービス企業です。
SLBはシュルンベルジェ兄弟が1926年に設立した石油サービス企業です。当初はパリに本社を置き、世界中に事業を展開し、1934年に石油が発見された米国テキサス州ヒューストンに進出。その後の戦争でフランスが占領されたため、本社をヒューストンに移転して、現在は本社はパリとヒューストンにあリます。
SLBは石油開発サービス大手で、シュルンベルジェ(SLB)、ハリバートン(HAL)、ベーカーヒューズ(BKR)が世界大手3社となっています。
シュルンベルジェ(SLB)は、石油・天然ガス開発向けに、探査、掘削、セメンティングなどの幅広い技術サポートや、プロジェクト管理や情報ソリューションなどのサービスを提供しています。
SLBの詳細についてご興味ある方は、リンク先から会社ウェブサイトやプレゼンテーション資料をご覧ください。
財務状況
続いて、業績や財務状況を確認していきます。
※財務データは以下を参照しグラフを作成しています(出所:以下リンク先)
売上・営業利益・当期純利益(年次)
年次の売上・営業利益・当期純利益は以下の通りで、2021/12期の売上高は 22,929百万ドル(YoY-3%)、営業利益率+12%、当期純利益率 +8%となっています。
売上・営業利益・当期純利益(四半期)
四半期の売上・営業利益は以下の通りで、2021/12期(Q4)の売上高は 6,225百万ドル(YoY+13%)、営業利益率+13%、当期純利益率+10%と、コロナで落ち込んだ2020/12期から回復しつつあることが分かります。
ROE
年次のROEの推移は以下の通りです。2021/12期のROEは 14%と回復しています。
キャッシュフロー・営業CFマージン
年次のキャッシュフロー、営業CFマージンの推移は以下の通りで、2021/12期の営業CFマージンは +20%と高水準で推移しています。
バランスシート(安全性)
続いて財務的な安全性を見ていきます。
2021/12期の自己資本比率は 37%、流動比率 122%、固定比率 189%、固定長期適合比率 93%と、自己資本比率は高くありませんが、流動比率も120%を超えており、安全性に大きな問題はなさそうです。
自己資本比率 | 37% |
流動比率 | 122% |
固定比率 | 189% |
固定長期適合比率 | 93% |
配当
一株当たり配当の推移は以下の通りです。2021/12期の一株当たり配当(実績)は0.50ドル、現時点での予想配当利回りは 1.3%となっています。
株価
最後に株価を確認していきます(2022年2月11日時点)。
現在の株価は40.62ドル、実績PER 29.7倍となっており、コロナで急落した後は上昇を続けて、現在はコロナ前の水準まで戻ってきています。
出所:Trading View
ロシアによるウクライナ侵攻の懸念など、原油・天然ガス高騰の要因が複数ある中で、石油の探鉱・開発活動が活発化すれば、石油サービスの業界最大手のSLBも恩恵に預かる可能性があり、面白い銘柄と思いました。ロシアによるウクライナへの侵攻は予断を許さない状況ですが、ウクライナ情勢を注視ながら投資検討をしたいと思います。
(※投資は自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します)
<リアルタイムチャートはこちら>
まとめ
最後にまとめです。
・シュルンベルジェ(SLB)は世界最大級の石油サービス企業。
・2021/12期の売上高は 22,929百万ドル(YoY-3%)、営業利益率+12%、当期純利益率 +8%。
▶︎2021/12期(Q4)の売上高は 6,225百万ドル(YoY+13%)、営業利益率+13%、当期純利益率+10%
・2021/12期のROEは+14 %
・2021/12期の営業CFマージンは+20%
・2021/12期の自己資本比率は 37%、流動比率 122%、固定比率 189%、固定長期適合比率 93%
・配当利回り(予想)は 1.3%
・現在の株価は40.62ドル、実績PER 29.7倍
ロシアによるウクライナ侵攻の懸念など、原油・天然ガス高騰の要因が複数ある中で、石油の探鉱・開発活動が活発化すれば、石油サービスの業界最大手のSLBも恩恵に預かる可能性があり、面白い銘柄と思いました。ロシアによるウクライナへの侵攻は予断を許さない状況ですが、ウクライナ情勢を注視しながら投資検討をしたいと思います。
(※投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します)
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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