投資関連のニュースで
FRBやFOMC、FFレートってよく聞くけど何?
そんな方に向けて書きました。
本記事では、米国の連邦準備制度(FRS)の概要と、FRB・FOMC・FFレートとは何か?について紹介します。
私も米国株の勉強をする以前は、FRBやFOMC、FFレートの理解が曖昧でした。
ですが、これらの知識は米国株投資をする際には必須なのできちんと理解しておくことが重要です。
- 連邦準備制度とは?(FRB・FOMC・FFレート)
- FFレートの予想を調べる方法
- FRBメンバーの発言が市場に与える影響
の順で説明していきます。
基本的な内容ですが、以前の自分に説明するつもりで“なるべく分かりやすく”書いたつもりです。FRBやFOMC、FFレートについて理解を深めるためにお役立ちになれば幸いです。
(参考)2022年の各国の金融政策に関するイベントのスケジュール
連邦準備制度とは?(FRB・FOMC・FFレート)
まずは全体像を理解するために、米国の連邦準備制度(FRS)について説明します。
連邦準備制度(Federal Reserve System)とは?
連邦準備制度(Federal Reserve System:FRS)とは、米国の中央銀行制度のことです。
米国経済における「雇用の最大化」「物価の安定」「適度な長期金利」を促進するための金融政策の実施などを行なっています。
FRSは3つの主要機関
- 連邦準備理事会(FRB:Federal Reserved Board)
- 12地区の連邦準備銀行(Federal Reserved Bank)
- 連邦公開市場委員会(FOMC:Federal Open Market Commitee)
で構成されています。
“BOARD OF GOVERNORS of the FEDERAL RESERVE SYSTEM” のウェブサイトの組織図が分かりやすかったので引用します。FRB・FOMC・FFレートの説明に関わる組織体制図なのでリンク先をご確認いただければと思います。英語だと分かりづらいかもしれないので、日本語での図を作成しました。
FRSの主な機能は以下の5つです。
- 金融政策の実施
- 金融システムの安定性維持
- 金融機関の監督・規制
- 決済システムの安全性・効率性の向上
- 消費者保護と地域開発の推進
もう一つ頭に入れておきたい重要なポイントがあります。
FRS加盟銀行は、預金残高の一定割合を連邦準備銀行に「準備金」として預けることが義務付けられています。
準備金が不足した銀行は、余剰のある他銀行から一時的に余剰分の準備金を借りることができ、この際に適用される金利がFF(Federal Fund)レートになります。
FRBは、景気が悪化した際にはFFレートを下げて資金の供給量を増やし、景気が加熱した際にはFFレートを上げて資金供給量を抑えるなど、FFレートを変動させることで資金供給量の調節を行なっています。
続いて、FRB・12地区の連邦準備銀行・FOMCについて説明します。
FRB(連邦準備制度理事会)とは?
FRB(The Federal Reserve Board:連邦準備制度理事会)は、米国のFRS(連邦準備制度)の最高意思決定機関です。
FRBの使命は、米国の①雇用の最大化、②物価の安定の2つです。
FRB議長は米国大統領が指名し、メンバー(7名)は米国上院で承認されます。
FRBは12地区の連邦準備銀行の監督したり、FOMCで金融政策の指針を決定するなどして「雇用の最大化」「物価の安定」を図っています。
12地区の連邦準備銀行
12地区の連邦準備銀行は以下の通りです。
- Boston
- New York
- Philadelphia
- Cleveland
- Richmond
- Atlanta
- Chicago
- St. Louis
- Minneapolis
- Kansas City
- Dallas
- San Francisco
各連邦準備銀行は独立して運営されていますが、FRBの監督下にあります。
12の連邦準備銀行とその24の支店は、管轄地区のビジネスや地域社会のニーズに関するデータなどの情報収集を行い、これらの情報は、FOMCやその他の理事会による金融政策の決定に反映されます。
各地区連銀の総裁はFOMCの構成メンバーとなっており、その中でもNY連銀総裁はFOMCの副議長を務めます。
FOMC(連邦公開市場委員会)とは?
FOMC(Federal Open Market Commitee:連邦公開市場委員会)とは、米国の金融政策の指針を決定する会合のことです。
FOMCの構成メンバーは、FRB理事(7名)と地区連銀総裁(12名)で構成されます。
議決権を持つのは、FRB理事7名と地区連銀総裁のうち5名の計12名。議長はFRB議長、副議長はNY連銀総裁となります。
FOMCは年8回開催され「景況判断」「政策金利」の方針などが発表されます。
FFレートとは?
FRSの説明で一度触れましたが、フェデラル・ファンド・レート(Federal Fund Rate、略称:FFレート)は、米国の政策金利のことです。
FRS加盟銀行は、預金残高の一定割合を連邦準備銀行に「準備金」として預けることが義務付けられています。
準備金が不足した銀行は、余剰のある他銀行から一時的に余剰分の準備金を借りることができ、この際に適用される金利がFF(Federal Fund)レートになります。
FRBは、景気が悪化した際にはFFレートを下げて資金の供給量を増やし、景気が加熱した際にはFFレートを上げて資金供給量を抑えるなど、FFレートを変動させることで資金供給量の調節を行なっています。
金利と株価は逆相関の関係にあるため、FFレートの数値は株式の市場関係者にとって重要な指標になります。
FFレートの予想を調べる方法
続いてFFレートの予想を調べる方法として、「CME FedWatchツール」があります。
例えば、「CME FedWatchツール」のページから、「2022年6月15日のFOMC」でのFFレートの予想を確認すると(左上の15 622をクリックする)、FFレートが125-150bpsになる確率が29.9%、150-175bpsになる確率が69.8%であることを表す図が表示されます。
FRBメンバーの発言が市場に与える影響
FRBはFOMC、FFレートについて理解することは米国株投資に必須とお伝えしましたが、その理由はこれらに関わる情報が株式市場に大きな影響を与えるためです。
例えば、下記の日経新聞の記事にあるように、先日(2022年4月21日)FRBのパウエル議長が、5月の次回会合で、通常の倍となる0.5%の利上げが「テーブルの上にある(選択肢となる)」と発言しました。
これを受けて、市場関係者がFRBによる更なる金融引締めの加速を警戒して売りが広がり、4月22日のダウ工業平均の下げ幅は一時1,000ドルを超える大幅安となりました。
このようにFRBメンバーの言動や、FOMCの結果、FFレートは株式市場に大きな影響を与えるので、米国株への投資をする際には注視が必要です。
最後に(お願い)
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
FRB・FOMC・FFレートについての理解を深めるために、少しでもお役に立っていれば幸いです。
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