本記事ではブラジルの石油企業ペトロブラス(PBR)の2021Q4決算について解説します。
米国株の石油株に投資したいな〜
企業のことは分かった上で投資したいけど、
自分で企業分析をするのは難しいし面倒!
最近の原油高騰で石油株に注目しているけど、そもそも石油関連銘柄を知らないし、個別銘柄の分析は面倒…そんな方に向けて書きました。
原油高騰の恩恵も受けて、PBRの2021Q4決算は、売上高成長率56%・営業利益率39%・営業CFマージン45%と好決算でした。ご興味ある方はぜひ記事をご覧ください。
参考記事・動画
\PBR 2021Q3 決算までの記事はこちら/
\石油・天然ガス関連19銘柄まとめ記事はこちら/
参考)以下の動画の広瀬隆雄さんのご説明はとても勉強になるので、ご興味ある方はぜひ動画をご覧ください。 はじめにまとめです。 ・ウクライナ危機によりエネルギー供給懸念が拡大。石油・天然ガス価格は更に高騰。 ・ペトロブラス(PBR)はブラジル拠点の石油・天然ガス生産を行う会社。 ・ブラジルの海洋油田で石油・ガスの探鉱、生産を行う。ブラジル政府が最大の支配権を持つ。 ・2021/12期の売上高は 83,966百万ドル(YoY+56%)、営業利益率+39%、当期純利益率+24% ▶︎2021/12期(Q4)の売上高は 24,031百万ドル(YoY+73%)、営業利益率+36%、当期純利益率+24% ・2021/12期のROEは 31% ・2020/12期の営業CFマージンは+45% ・2021/12期の自己資本比率は40%、流動比率125%、固定比率207%、固定長期適合比率96% ・配当利回り(予想)は14.1% ※2022.03.04時点 ・現在の株価は14.5ドル(実績PER 4.8倍) ※2022.03.04時点 PBRは好決算で、原油高騰の恩恵を考えると魅力的に見えますが、一方で、株価は年初来で約30%上昇しています。また米国のシェール増産や、原油価格が上がり過ぎたことで需要破壊が起こるなど、原油価格が下落するリスクもあります。また、何らかの理由でロシアの石油・天然ガスの不買運動(ボイコット)が起こらない可能性もあります。 米国では、素材や労働力不足で増産がすぐには行えないという情報もあり、原油価格が今後も高騰し続けるのか、何か状況が変化することで急落が起こるのかは予測しづらい状況です。 個人的には、アップサイドのリスクより、ダウンサイドのリスクが大きいと感じるため、「様子見」または投資するにしても少額でリスク許容度の範囲内でPBRへの投資検討をしていきたいと思います。 (※投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します) \ネット証券最大手SBI証券の口座開設はこちら/ 原油価格(WTI原油先物)の推移は下記の通りで、現時点で$114.95と年初来で約52%も上昇しており、7年ぶりの高値をつけています。 天然ガス価格も年初来で約35%程度上昇しており、石油・天然ガス価格ともに大幅に上昇していることが分かります。 原油・天然ガス価格高騰の背景には、コロナで低迷した経済が再開する中での原油需要の増加が予想されること、また原油・天然ガスの供給懸念の拡大があります。原油・天然ガス価格高騰の要因を4つ挙げます。 ① 経済活動再開により原油需要が増加すると予想されている ② 先進国では脱炭素社会に向けて原油生産を制限(原油生産量を増やすことができない) ③ OPEC(石油輸出機構)は増産による原油安を懸念して増産に慎重な姿勢 ④ロシアがウクライナに侵攻により、ロシア-ドイツの天然ガスの海底パイプライン「ノードストリーム2」が停止し、欧州全体のエネルギー供給懸念が拡大している。ロシア産の原油・天然ガスの供給がストップすれば更にエネルギーが逼迫する恐れがある。 いま特に注目を集めている④ロシアのウクライナへの侵攻です。 ウクライナは欧州連合(EU)とロシアの両方と国境を接しており、旧ソビエトだったことからロシアと繋がりの深い国です。 現在、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始し、各国がロシアへの経済制裁を発表しています。これによりロシアからの原油・天然ガスの供給が減少する見込みで、これによりエネルギー価格が急騰しています。 一例として、ドイツのショルツ首相は、ロシアの天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノードストリーム2」のプロジェクトの承認停止を表明しています。 ロシアとの対立が欧州全体に与える影響については以下の記事を参照ください。 ペトロブラス(PBR)はブラジル拠点の石油・天然ガス生産企業です。 PBRの会社概要の詳細にご興味ある方は、下記リンク先からAnnual Reportをご覧ください。 続いて、業績や財務状況を確認していきます。 ※財務関連のデータは財務諸表を参照しています(出所:以下の同社ホームページ) 年次の売上・営業利益・当期純利益は以下の通りで、2021/12期の売上高は 83,966百万ドル(YoY+56%)、営業利益率+39%、当期純利益率+24%と、原油価格高騰の恩恵も受けて売上高・利益とも堅調に推移しています。 四半期の売上・営業利益は以下の通りで、2021/12期(Q4)の売上高は 24,031百万ドル(YoY+73%)、営業利益率+36%、当期純利益率+24%となっており、売上・利益ともに堅調に推移していることが分かります。 年次のROEの推移は以下の通りで、2021/12期のROEは31%と急上昇しています。 年次のキャッシュフローの推移は以下の通りです。営業CFが伸びておりフリーCFも拡大しています。2021/12期の営業CFマージンは+45%と非常に高い水準で推移しています。 2021/12期の自己資本比率は40%、流動比率125%、固定比率207%、固定長期適合比率96%と安全性は大きな問題はないことが分かります。 1株当たり配当の推移は以下の通りで、2021/12期の1株当たり配当(実績)は2.04ドル、現時点での予想配当利回りは14.1%となっています(※2022.03.04時点)。数ヶ月前まで20%弱あった配当利回りですが、14%でも十分高く魅力的ですね。 最後に株価を確認していきます(2022年3月4日時点)。 現在の株価は14.5ドル(実績PER 4.8倍)と、年初来で30%以上、上昇しています PBRは好決算で、原油高騰の恩恵を考えると魅力的に見えますが、一方で、株価は年初来で約30%上昇しています。また米国のシェール増産や、原油価格が上がり過ぎたことで需要破壊が起こるなど、原油価格が下落するリスクもあります。また、何らかの理由でロシアの石油・天然ガスの不買運動(ボイコット)が起こらない可能性もあります。 米国では、素材や労働力不足で増産がすぐには行えないという情報もあり、原油価格が今後も高騰し続けるのか、何か状況が変化することで急落が起こるのかは予測しづらい状況です。 個人的には、アップサイドのリスクより、ダウンサイドのリスクが大きいと感じるため、「様子見」または投資するにしても少額でリスク許容度の範囲内でPBRへの投資検討をしていきたいと思います。 (※投資は自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します) <リアルタイムチャートはこちら> 最後にまとめです。 ・ウクライナ危機によりエネルギー供給懸念が拡大。石油・天然ガス価格は更に高騰。 ・ペトロブラス(PBR)はブラジル拠点の石油・天然ガス生産を行う会社。 ・ブラジルの海洋油田で石油・ガスの探鉱、生産を行う。ブラジル政府が最大の支配権を持つ。 ・2021/12期の売上高は 83,966百万ドル(YoY+56%)、営業利益率+39%、当期純利益率+24% ▶︎2021/12期(Q4)の売上高は 24,031百万ドル(YoY+73%)、営業利益率+36%、当期純利益率+24% ・2021/12期のROEは 31% ・2020/12期の営業CFマージンは+45% ・2021/12期の自己資本比率は40%、流動比率125%、固定比率207%、固定長期適合比率96% ・配当利回り(予想)は14.1% ※2022.03.04時点 ・現在の株価は14.5ドル(実績PER 4.8倍) ※2022.03.04時点 PBRは好決算で、原油高騰の恩恵を考えると魅力的に見えますが、一方で、株価は年初来で約30%上昇しています。また米国のシェール増産や、原油価格が上がり過ぎたことで需要破壊が起こるなど、原油価格が下落するリスクもあります。また、何らかの理由でロシアの石油・天然ガスの不買運動(ボイコット)が起こらない可能性もあります。 米国では、素材や労働力不足で増産がすぐには行えないという情報もあり、原油価格が今後も高騰し続けるのか、何か状況が変化することで急落が起こるのかは予測しづらい状況です。 個人的には、アップサイドのリスクより、ダウンサイドのリスクが大きいと感じるため、「様子見」または投資するにしても少額でリスク許容度の範囲内でPBRへの投資検討をしていきたいと思います。 (※投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します) 最後までご覧いただき、ありがとうございました。 \ネット証券最大手SBI証券の口座開設はこちら/ \その他の石油大手企業の記事はこちら/ \ネット証券最大手SBI証券の口座開設はこちら/PBR まとめ
原油・天然ガス価格
原油価格の高騰
天然ガス価格の高騰
価格高騰の背景:需要増加予想と供給懸念
PBR 会社概要
PBR 財務状況
PBR 売上・営業利益・当期純利益(年次)
PBR 売上・営業利益・当期純利益(四半期)
ROE
PBR_キャッシュフロー・営業CFマージン
PBR_バランスシート(安全性)
自己資本比率 40% 流動比率 125% 固定比率 207% 固定長期適合比率 96% 配当
株価
PBR_まとめ
投資・お金の学習本