こんにちは、やん(@yanblog3)です。
がん免疫遺伝子治療のアーセルクス(ACLX)について知りたい!
そんな方に向けて書きました。
2022年6月上旬に広瀬隆雄さん(通称:じっちゃま)がツイートされたことを受けて注目されている方も多いことと思います。
本記事では、アーセルクス(ACLX)の会社概要・製品、業績、財務状況、などについて紹介していきます。
※私は製薬の専門家ではないので、専門的な記述は企業HPの情報やIR資料を引用し、あくまで企業の事業・財務などに焦点を当てて紹介します。
ご興味ある方はぜひ最後までご覧ください。ACLXについて理解を深めるための一助になれば幸いです。
なお本記事は、育児をしながら時間を捻出して結構な時間を割いて書いています。
無料公開の記事なのでモチベ維持のためにも応援頂けるととても嬉しいです。
(調査と記事作成に相応の時間をかけても、収益は雀の涙….というのが実状です😢)
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ACLX まとめ
はじめにまとめです。
- アーセルクス(ACLX)は臨床段階のがん免疫遺伝子治療を開発する米国企業(2022年2月にIPO)
- 従来のキメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T)と異なる、同社のARC-SparX技術によって、毒性の低減、抗原の不均一性への対応、などの課題克服が期待される
- 急性骨髄性白血病や多発性骨髄腫などを対象とした臨床試験を実施中(第一相試験が進行中)。
- 最近の臨床試験で、sCR/CR(完全奏功)〜PR(部分奏功)が100%という良好な結果。
- キメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T)のTAM(最大の市場規模)は100億ドルと予想される
- ACLXの時価総額は約5.8億ドル(2022/06/17時点)
- ACLXの現在の売上はゼロ。臨床試験はまだ第1相で承認されない可能性はある。
- 今後数年で順調に承認されて、売上が拡大すれば大化けする可能性はある。
- 2021/12期 (通期) の売上高は 0 、営業利益は -65百万ドル
- ▶︎ 2022/03期(Q1)の売上高は 0、営業利益は -32百万ドル
- 2022/03期(Q1)の自己資本比率は 91%、流動比率 1314%、固定比率 10%、固定長期適合比率 10%
- 現在の株価は16.19ドル、PER(予)N/A、 PBR(mrq)2.82倍(2022年6月17日時点)
本記事がACLXについて理解を深める一助になっていれば幸いです。
(投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願いします。)
基本情報
アーセルクス(ACLX)は臨床段階のがん免疫遺伝子治療を開発する米国企業(2022年2月にIPO)です。
従来のキメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T)と異なる、同社のARC-SparX技術によって、毒性の低減、抗原の不均一性への対応、などの課題克服が期待されています。
会社概要 | |
---|---|
本社所在地 | 米国 メリーランド州 |
設立 | 2014年 |
事業 | 製薬 |
従業員数 | 78人 |
売上高 | $ 0 百万ドル(2021/12期) |
企業IR | URL |
キメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T)とは?
ACLXについて調べる上でとても難しく感じたのは専門用語が多いことです。
まずはキメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T)とは、どのようなものかを紹介します。
私は医療の専門家ではないので、分かり易く説明されているウェブサイトや動画を探したところ、NOVARTISの動画が分かりやすかったので紹介します。
キメラ抗原受容体T細胞医療またはCAR-T(カーティー)細胞医療とは、患者さん自身の免疫システムを利用してがんを攻撃する治療法。
参照:下記のNOVARTISの動画
ACLXの技術:ARC-SparX
ACLXの技術について、専門家ではないので正確かつ詳細な説明はできませんが、同社のIR資料を読んで分かったことを整理したいと思います。
下記の資料の説明(日本語訳)やプレゼン資料を見る限り、かなりざっくり言うと、次のことが言えるかと思います。
・SparXタンパク質(D-Domain技術を活用)により標的細胞の表面の抗原にフラグを立てる
・ARC-T細胞はSparXタンパク質とは別々に投与され、標的細胞と出会った時にのみ標的細胞を攻撃する。
・SparXタンパク質の投与量の調節によって用量を制御できる(低用量は低毒性に繋がる可能性)
■ARC-SparX
・ARC-SparXプラットフォームは、しばしば重篤な用量制限有害事象に関連する毒性を低減し、腫瘍の不均一性を克服するために、制御性と適応性を可能にするよう設計されています。ARC-SparXは、汎用性の高いARC-T細胞と市販のSparXタンパク質を組み合わせ、腫瘍を認識する機能と殺傷する機能を分離したモジュール型の治療法。
・SparX(soluble protein antigen-receptor X-linkers)タンパク質は、当社のD-Domain技術を利用して、疾患細胞の表面にある抗原を認識し、その細胞をARC-T細胞が検出できるようにフラグを立てるもの
・ARC-T細胞は、SparXタンパク質のユニークなTAGを特異的に認識するように設計されたD-DomainベースのCARを発現する
■D-Domainの特徴
①高いトランスダクション効率(低用量は低毒性につながる可能性がある)
②高い表面発現量(結合性の向上が期待される。D-Domainのシンプルな構造により、CARコンストラクトをT細胞表面で高発現させることができる。)
③低トニック信号(T細胞の疲弊を軽減。D-ドメインは生物物理学的特性により、凝集を抑制し、T細胞の早期消耗につながる低トニックシグナル伝達をもたらす。)
参照 : Financial Result 22Q1 , ASCO Investor Event より抜粋
ACLXの新薬候補(Pipeline)
ACLXのPipelineは以下の通りで、複数の臨床試験が実施されていますが、進んでいるものでも第1相のフェーズなので、承認まで至るかどうかはまだ分かりません。
直近の試験結果
FADの承認には至っていないものの、ACLXの治療法の良好な試験結果(下記)が学会で発表しており、注目を集めています。
sCR (Stringent Complete Response) | 厳格な完全奏功 |
CR (Complete Reponse) | 完全奏功 |
VGPR (Very good PR) | 非常に良好な部分奏功 |
PR(Partial Response) | 部分奏功 |
SD(Stable Desease) | sCR〜PRのいずれも満たさない状態 |
(参考)
CAR-Tの市場規模
ACLXの資料によると、キメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T)のTAM(最大の市場規模)は100億ドルと予想されています。
ACLXの時価総額(2022/6/17時点)
ACLXの時価総額は約5.8億ドル(2022/06/17時点)となっています。
あくまでの仮定の話ですが、仮に数年後にACLXの売上高が5億ドル(TAM:100億ドル)に達したとして、PSRが5倍となれば、株価は数倍に大化けする!という皮算用をすることもできます。
FDAに承認される保証はなく、売上が拡大するとしても数年後になると思いますが、試験結果などから必ずしも荒唐無稽な話でもない気はしますし、これがACLXが注目される理由であると思います。
業績・財務状況
続いて、業績や財務状況を確認していきます(数値は下記リンク先のIR資料を基にしています。)
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売上・利益(年次)
年次の売上・利益は以下の通りで、2021/12期 (通期) の売上高は 0 、営業利益は -65百万ドルと、まだ売上はゼロの状況です。
売上・利益(四半期)
2022/03期(Q1)の売上・利益は以下の通りで、2022/03期(Q1)の売上高は 0、営業利益は -32百万ドルとなっています。
キャッシュフロー
年次のキャッシュフローの推移は以下の通りです。
バランスシート(安全性)
2022/03期(Q1)の自己資本比率は 91%、流動比率 1314%、固定比率 10%、固定長期適合比率 10%となっており、安全性は良好な状態です。
自己資本比率 | 91% |
流動比率 | 1314% |
固定比率 | 10% |
固定長期適合比率 | 10% |
安全性の指標の見方が分からない方はこちらの書籍がおすすめ!
株価
現在の株価は16.19ドル、PER(予)N/A、 PBR(mrq)2.82倍(2022年6月17日時点)となっています。
IPOして間もないのでチャートは2022年2月以降のものです。6月初旬に急騰しましたが、その後急落しています。
出所:Trading View
<リアルタイムチャートはこちら>
まとめ(再掲)
最後にまとめ(再掲)です。
- アーセルクス(ACLX)は臨床段階のがん免疫遺伝子治療を開発する米国企業(2022年2月にIPO)
- 従来のキメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T)と異なる、同社のARC-SparX技術によって、毒性の低減、抗原の不均一性への対応、などの課題克服が期待される
- 急性骨髄性白血病や多発性骨髄腫などを対象とした臨床試験を実施中(第一相試験が進行中)。
- 最近の臨床試験で、sCR/CR(完全奏功)〜PR(部分奏功)が100%という良好な結果。
- キメラ抗原受容体T細胞医療(CAR-T)のTAM(最大の市場規模)は100億ドルと予想される
- ACLXの時価総額は約5.8億ドル(2022/06/17時点)
- ACLXの現在の売上はゼロ。臨床試験はまだ第1相で承認されない可能性はある。
- 今後数年で順調に承認されて、売上が拡大すれば大化けする可能性はある。
- 2021/12期 (通期) の売上高は 0 、営業利益は -65百万ドル
- ▶︎ 2022/03期(Q1)の売上高は 0、営業利益は -32百万ドル
- 2022/03期(Q1)の自己資本比率は 91%、流動比率 1314%、固定比率 10%、固定長期適合比率 10%
- 現在の株価は16.19ドル、PER(予)N/A、 PBR(mrq)2.82倍(2022年6月17日時点)
本記事がALCXについて理解を深める一助になっていれば幸いです。
(投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願いします。)
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
なお本記事は、育児をしながら時間を捻出して結構な時間を割いて書いています。
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