好決算が続いていることや、広瀬隆雄さん(じっちゃま)が注目されていることからCrowd Strike(クラウド・ストライク)について興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。

CRWDに投資しようかな〜
でも投資するからには、企業の事業内容・財務状況について理解したうえで投資したい…でも難しいし面倒!
そんな方に向けて、本記事では、クラウドベースのエンドポイントセキュリティを提供するCrowd Strike(CRWD:クラウドストライク)の会社概要、財務状況について解説します。
まとめ


はじめにまとめです。
・予想と結果:EPS○、売上高○、ガイダンス(EPS○、売上高○)
・2021/10期の売上高は$380M、営業利益率 -11%
・2021/10期の売上高成長率(前年同期比)は+64%と高い成長率を維持
・2021/10期の営業CFマージンは+42%
・2021/10期の自己資本比率は29%、流動比率は190%、固定比率は98%
・Crowd Strikeはクラウドベースのエンドポイントセキュリティを提供する企業
・CEOは国際的にも著名なセキュリティの専門家で独自の強みを持つ
・世界的にも評価が高く、フォーチュン500のうち234の企業、トップ20銀行のうち14銀行で導入
・セキュリティ市場は堅調に成長しており、今後も成長が見込まれる。
・2021/01期の売上高は$874M、営業利益率 -11%
・2021/01期の売上高成長率(前年同期比)は+82%と成長性が高い
・2021/01期の営業CFマージンは41%と収益性が高い
・2021/07期の自己資本比率は29%と低いものの、流動比率は198%であり、短期的な安全性は問題はなさそう
・CRWDは好業績が続いており、新型コロナウィルス感染拡大前の2020年1月頃の株価60ドルから、現在の株価は約257ドルまで上昇している。PSRは約40倍。2021年12月1日発表の決算は◯で、プレで約208ドルまで上昇。
個人的には、CRWDについては、広瀬隆雄さん(じっちゃま)が紹介されていた、「業績が良ければ買う・ホールド、悪ければ売る」というスタンスで投資を検討していきたいと思います。
(※投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します)
会社概要(クラウド・ストライクとは?)


クラウドストライク は米国カリフォルニア州に拠点を置くクラウドベースのエンドポイントセキュリティを提供する企業です。
2011年に設立、2019年には上場しており、短期間で急成長しています。基本情報は以下のとおりです。
会社概要 | |
---|---|
本社所在地 | 米国カリフォルニア州サニーベール |
設立 | 2011年 |
上場 | 2019年(CRWD) |
事業 | クラウドセキュリティ |
従業員数 | 4,224人 |
売上高 | $ 874 百万ドル (2021年1月) |
企業HP | URL |
IR資料 | URL |
クラウドストライクの特徴は、従来のアンチウィルスソフトを各端末にインストールしてウィルスの侵入を防ぐ手法ではなく、クラウドからユーザー端末を常に監視・保護するセキュリティをサブスク型で提供していることです。
クラウドストライクの主な特徴は以下の3つです。
- クラウドベースでユーザー端末を監視・保護するセキュリティ
- 常に最新のセキュリティを提供する
- サブスク型で導入しやすい


クラウドベースでユーザー端末を監視・保護するセキュリティ
従来のセキュリティ手法は、端末にアンチウィルスソフトを導入してウィルスの侵入を防止する対策でした。
それに対して、クラウド・ストライクは、EDR(Endpoint Detection and Response)という考え方でセキュリティ製品を提供しています。EDRは従来の対策とは違い、侵入後の検知と対応を素早く行うセキュリティ手法です。
現在のセキュリティ攻撃は、どんな対策をとっても100%防ぐことは不可能と言われており、EDRは侵入を前提とした新しいセキュリティ手法です。
これまではマルウェア(ウィルスソフト)による攻撃が一般的でしたが、最近はマルウェアを使わない攻撃が半数を占めており、攻撃手法の変化に応じた対策が必要です。
クラウドストライクはクラウドベースでユーザー端末を監視・保護するセキュリティを提供しています。クラウドストライクでは、24時間365日体制で専門家が稼働し、早急に対応する体制が取られています。
従来のセキュリティ方法では被害に気づくまで数日、数ヶ月の期間を要することがありますが、タイムリーな対応が可能な点がクラウドストライクの特徴の一つと言えます。
常に最新のセキュリティを提供する
クラウドストライクのソリューションが導入された全ての端末から、リアルタイムで脅威やインシデントのデータをクラウドに収集し、AIを活用して分析を行いながら、常に最新のセキュリティ対策を提供する仕組みを構築しています。
これを技術的に実現できる企業は限られているようですが、クラウドストライクの優れている点はこれを実現しているところです。クラウドストライクの優れたソリューションの背景には、国際的に著名なセキュリティ専門家のCEOの存在があります。クラウドストライクの創業者 Grorge Kurtz(ジョージ・カーツ)氏は、アンチウィルスソフト開発のMcAfee(マカフィー)でCTO(最高技術責任者)を努めた経験や、起業家としての経歴も持っており、セキュリティ分野で28年以上の経験を持っています。
クラウドストライクの評価は高く、SONY、アステラス製薬、バンダイナムコなど日本でも導入する企業が増えているようです。(詳細はCRWDのホームページをご覧ください)
サブスク型で導入しやすい
3つ目の特徴はサブスク型で導入しやすいことです。初期投資が必要なくコンピュータ一台当り月額1,000円程度から導入できるようで、その手軽さもあり、導入企業数は急激に増加しています。
フォーチュン500企業のうち約230社、トップ20の銀行のうち14社がクラウドストライクのソリューションを導入しています。(出所:CRWD プレゼンテーション)
市場規模・成長性


次にサイバーセキュリティ市場の市場規模と成長性について解説します。
市場規模は、2021〜2023年の2年間でCAGR(年平均成長率)9%で成長すると予想され、2023年には436億USドル(約4兆4000億円)の市場規模になると予想されています。


顧客数の堅調な増加
クラウドストライクの顧客数は急激に増加しており、フォーチュン100企業のうちの63の企業、フォーチュン500企業のうち234の企業、トップ20の銀行のうち14の銀行が顧客となっています。


ARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)
ARR(年間の継続的な売上)も急激に成長しており、FY22Q2のARRはYoYで70%成長となっています。




業績・財務状況


続いて、クラウドストライクの業績と財務状況について解説します。(財務データの参照元は以下のとおりです)
直近の決算(2021/10期)
初めに直近の決算の結果が、予想以上(○Beat)か、予想以下(×Miss)かを表にまとめました。
2022Q1(2021/10期)はEPS,、売上高、ガイダンス(売上高、EPS)の全て予想を上回りました。詳細は以下のSeeking Alphaのリンク先をご覧ください。
判定 | |
EPS | ○(Baet) |
売上高 | ○(Baet) |
ガイダンス(EPS) | ○(Baet) |
ガイダンス(売上高) | ○(Baet) |




売上・営業利益(年次)
年次の売上・営業利益は以下の通りです。
2021/01期の売上高は$874M、営業利益率 -11%となっており、売上が急成長しつつ、営業利益率のマイナス幅は縮小していることが分かります。


売上・営業利益(四半期)
四半期の売上・営業利益は以下の通りで、2021/10期の売上高は$380 M、営業利益は-11%となっており、年次データと同様に、売上は堅調に成長しつつ営業損失は縮小していることが分かります。


売上高 成長率(年次)
年次の売上高成長率(前年同期比)は以下の通りです。2021/01期の売上高成長率(前年同期比)は+82%となっており、非常に高い成長率で成長していることがわかります。


売上高 成長率(四半期)
四半期の売上高成長率(前年同期比)は以下の通りです。2021/10期の売上高成長率(前年同期比)は64%となっています。売上高成長率は徐々に下がりつつありますが、依然として60%以上の高い成長率で推移していることが分かります。


EPS (年次)
年次のEPS推移は以下の通りで、2021/09期のEPSは-0.43USDとなっています。


EPS (四半期)
四半期のEPSの推移は以下の通りです。




キャッシュフロー(年次)
年次のキャッシュフローは以下の通りです。2021/01期は投資CFがプラスでフリーCFがプラスに反転しています。また、現金および現金等同等物が潤沢に積み上がっていることが分かります。


キャッシュフロー(四半期)
四半期のキャッシュフローは以下の通りです。


営業CFマージン(年次)
年次の営業CFマージンは以下の通りです。2021/01期の営業CFマージンは41%となっており、営業CFマージンは高水準かつ上昇傾向にあることが分かります。


営業CFマージン(四半期)
四半期の営業CFマージンは以下の通りで、2021/10期の営業CFマージンは42%と高い水準で推移しています。


バランスシート(安全性)
続いて財務的な安全性を見ていきます。
2021/10期の自己資本比率は29%と低いものの、流動比率は190%であり、短期的な安全性としては問題はなさそうです。
自己資本比率 | 29% |
流動比率 | 190% |
固定比率 | 98% |
固定長期適合比率 | 45% |






株価


最後に株価を確認していきます。下にはリアルタイムチャートを掲載しますが、2021年12月01日現在の株価について見ていきます。(※初稿:2021/10/1、リライト:2021/12/01)
CRWDの株価は、新型コロナウィルス感染拡大前の2020年はじめ頃に約60ドル付近となっていました。新型コロナウィルス感染拡大後は、CRWDの好業績が続いており、2021年12月01日時点では約201ドルとなっています。(直近はオミクロン株の影響で下落)


PSRは、約40.2倍となっています(2021年12月01日時点)。


CRWDは好業績が続いており、2021/12/01発表の決算も良好だったことから株価上昇が期待できそうですが、新型コロナウィルスの変異種(オミクロン株)の感染拡大懸念もあるため、状況を注視しながら投資判断をしていけたらと思います。
まとめ


最後にまとめです。
・予想と結果:EPS○、売上高○、ガイダンス(EPS○、売上高○)
・2021/10期の売上高は$380M、営業利益率 -11%
・2021/10期の売上高成長率(前年同期比)は+64%と高い成長率を維持
・2021/10期の営業CFマージンは+42%
・2021/10期の自己資本比率は29%、流動比率は190%、固定比率は98%
・Crowd Strikeはクラウドベースのエンドポイントセキュリティを提供する企業
・CEOは国際的にも著名なセキュリティの専門家で独自の強みを持つ
・世界的にも評価が高く、フォーチュン500のうち234の企業、トップ20銀行のうち14銀行で導入
・セキュリティ市場は堅調に成長しており、今後も成長が見込まれる。
・2021/01期の売上高は$874M、営業利益率 -11%
・2021/01期の売上高成長率(前年同期比)は+82%と成長性が高い
・2021/01期の営業CFマージンは41%と収益性が高い
・2021/07期の自己資本比率は29%と低いものの、流動比率は198%であり、短期的な安全性は問題はなさそう
・CRWDは好業績が続いており、新型コロナウィルス感染拡大前の2020年1月頃の株価60ドルから、現在の株価は約257ドルまで上昇している。PSRは約40倍。2021年12月1日発表の決算は◯で、プレで約208ドルまで上昇。
個人的には、CRWDについては、広瀬隆雄さん(じっちゃま)が紹介されていた、「業績が良ければ買う・ホールド、悪ければ売る」というスタンスで投資を検討していきたいと思います。
(※投資は全て自己責任です。ご自身の判断と責任でお願い致します)



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

